ちょっと専門的なTopics
CAE解析1
(2014/4/1)
塑性加工シミュレーションを活用するためには、まず、成形不具合が予測できなければなりません。弊社では、有限要素法による計算結果の割れ判定に、3次元局所分岐理論に基づく3次元応力FLDを使用しています。※
特徴
- 板鍛造部品等で必要となるソリッド要素の割れ判定が可能です。
- 変形履歴に依存しないため、各瞬間の応力/加工硬化率の比で割れ判定が可能です。
- 理論が明瞭であるため、延性破壊条件式に現れる変形様式に依存した半実験式パラメータがありません。
- 分岐理論では、「いつ、どこで、どの方向に割れるか」が評価できます。
※詳細は、伊藤耿一ほか:塑性と加工,39-445,(1998),158.
斉藤ほか:第61回塑加連合講, (2010),347-348.
評価事例
評価ソフトには、NXTコンソーシアムで開発されたNXT Defect Evaluatorを使用しています。コンターは劈開不安定指数を表し、赤のレベルで完全な破断判定となります。
上下方向の引張応力による延性割れなので、応力方向からやや傾いた分岐界面が見えます。バツ印のように二面表示されていますが、実際は何らかのトリガーにより、どちらか一方が選択されることになります。